Pinot Noir Vinificato in Bianco 2006 La Crotta di Vegneron
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■ ピノノワール・ヴィニフィカート・イン・ビアンコ2006ラ・クロッタ・ディ・ヴェニェロン
《イタリア/ヴァッレ・ダオスタ/白≒ロゼ/ピノノワール/辛口》
(これを読んでるお客様も同じかと思いますが‥)日常的にワインを消費する生活になると、そのワインも緩急つけたくなるんですよね。バッチリと濃厚、濃密で飲み応えのあるワインも大好きですが、それを‥そう‥感じるためには、やっぱり緩急が大事なんですね。赤ならば、ほどよいミディアムボディで、穏やかながら酸味を綺麗に感じされるタイプ。白ならば、スッキリでフレッシュで‥な感じでしょうか。今回ご紹介するワインは、白ではありますが、ロゼともいえるワインなんですね。しかも葡萄はピノノワール‥。
以前に、ピノノワールを白ワインに仕立てた‥マルケ州は、マンチーニのインペロをご紹介されていただきましたが、インペロはフルボディな白でしたよね。今回ご紹介のこのワインもピノノワールを白ワインで仕立ててあるんですが、色は‥どちらか‥というとロゼ…インペロはピノノワールから、赤い要素を綺麗に脱がせた感じでしたが、このワインは、ちょっとピノノワールのピノらしさ‥赤いチャーミングな要素を残してあるんです。産地は、ヴァッレ・ダオスタ州‥北の綺麗なピノノワールからなる‥白のようなロゼのような‥でも、決して変化球じゃないんですよ‥。こういうのを日常的に消費できるといいですね♪
ヴァッレ・ダオスタの白はいいですねー。西野嘉高も、ブラン・ド・モルジェを紹介しておりますが、ヴァッレ・ダオスタらしい綺麗な酒質に、ヴィエ・ディ・ロマンスのチャントンス・ロゼで目覚めたロゼの素晴らしさ‥インペロで思い知らされたピノノワールの白仕立て‥全部ひっくるめて‥こんな綺麗な感じの白≒ロゼになりました!!
そんな感じですね。
西はフランス、北はスイスとの国境となるヴァッレ・ダオスタ州。州中心に位置する州都アオスタの東にあるシャンバーヴ地区に1980年に設立された協同組合が、このラ・クロッタ・ディ・ヴェニェロンです。アルプス山脈は、もう目の前‥標高500mを超える峻厳で、降雨が極端に少ないという土地。また、土壌はモレーンと呼ばれる氷河期に運搬された岩や土砂の堆積物で形成され、植物が活発な生育活動をする環境ではないそうです。そんな葡萄栽培≒ワイン醸造には不向き‥とも言える気候と土壌を持つこのシャンバーヴ地区は、元来は地元で消費されるワインの生産がほとんどで、もちろん、その生産量も微々たるものだったようです。ヴェロネッリ誌2009年度版を見ても、ただでさえ、ヴァッレ・ダオスタ州の生産者は少ないのですが、このシャンバーヴ地区の生産者は‥このラ・クロッタ・ディ・ヴェニェロンしか紹介されていません。ま‥そんな小さな地域だからこそ、小さな農家をまとめた協同組合になるんでしょうけどね。
そんなラ・クロッタ・ディ・ヴィニェロンは、モスカート(マスカット表記)、フミン、ガメイ、ミュラートゥルガウ、ピノノワールからなるスティルワインを始めスプマンテも生産していますが、今回ご紹介するのは、ラ・クロッタ・ディ・ヴェニェロンのワインの中でも、単一品種シリーズに属するピノノワールの白ワイン仕立てとなります。(ピノノワールの赤も作っています。)
標高450m〜600m‥シャンバーヴ地区周辺の様々な農家の土地からのピノノワールが使用されます。ピノノワールを白仕立てに‥結果は、白というよりもロゼがかったワインになっており、その味わいも含め、あえてロゼのカテゴリーに振り分けました。
うんうん白じゃない。これはロゼですね。もちろん白ワインな表情もあるんですが、それ以上にロゼの恩恵を強く感じれるんです。
ロゼ‥いいですよ♪
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
このビンテージから新しくなったそうな、ラベルは、渋い抹茶色地で、同色のキャップシールもデザインは悪くないですね。あとはフォントの使い方かな‥。ちょっとイタリアワインらしくないような‥南仏っぽいデザインにも見えますが‥イタリアらしさがないわけでもないな‥今時は、こんな感じで洒落たラベルだもんね。ヴァッレ・ダオスタDOC表記で、アルコール度数は12.5度の表記‥うんうん普段使いならこれくらいの度数が理想なのかも‥。瓶色は薄めの黄緑色って感じなのですが、すでにボトル越しに見える色は‥とても白ではありません‥ロゼとも思えません‥。白ワイン仕立て‥とはいえ、白のカテゴリーには入らないな‥なんだか薄い紫のフィルターを通した透明感のある茶色にしか見えませんね‥。澱や濁りは皆無で、ちょっと楽しみ♪ちなみに‥ビオじゃないんですよ‥。西野嘉高も興味があって仕入れたわけですが、その際に輸入元さんに「これって‥ひょっとしてビオですか?」って聞いたんですが、「そう」ではないとのこと‥。もちろんビオを否定しているわけではありませんので悪しからず‥。
予想外にペラペラのビニールっぽいキャップシールを剥がしますと(←別にどっちでもいいんだが‥)、決して質は悪くなさそうなんだが‥3.5cmと、ちんちくりんなコルクです。チンチンに冷やすワインでもないような気がしますので、軽く野菜室で‥。グラスは、ヴィノムのブルゴーニュ型と、念のため、オヴァチュアを用意しました。
グラスに注ぎますと、綺麗なロゼ色じゃないですか‥ちょっとだけ玉ねぎの皮色な茶が射しますが、ピンクというよりは、赤味の強いオレンジとも言えるかもしれませんね。こりゃー白ワインとしては売れないわな‥というか、実は期待どおりのロゼだったりするわけね♪
グラスの底やエッジには、若干のフレッシュなプチプチもあり、グラスに鼻を近づけますと、うーんロゼ!!やっぱりロゼ!!イチゴ飴‥苺のキャンディーの可愛らしい赤いベリーの香りは、これまた可愛らしく甘味を感じさせますね。甘酸っぱいの一歩手前な感じながら、唾液は如実に反応しているのは、それなりに酸味を香りからも感じている証拠です。例えば、シャルドネのように、様々なトロビカルフルーツや柑橘な果実に比喩できる複雑さはありませんが、チャーミングなピノノワールとして直球ですね‥実にわかりやすいロゼ‥は、純粋に楽しめそうな予感です。
口に含みますと、これまた予想外にミディアムボディな厚みがあるんですよねぇ。その厚みの具合は、あくまでも白ワインっぽくもありますが、インペロを飲んだ時に感じた‥あの白いピノノワールの果実なボディなんだな。舌の上を縦ではなく横に広がるジュワっとした酸味の中に、さすがロゼな感じのタンニンも感じますね。酸味は豊富でイイですね。なかなかグラスの中で良くなる酒質でもあります。
一応、オヴァチュアでの飲んでみます。酸味も果実味も絞まりますね。こちらの方が好きな方もいらっしゃるかもしれません。ただし、やはり「どっちから飲むか?」は重要です。西野嘉高のように、ブル型から飲めば、オヴァチュアだとキツく感じるでしょうし、オヴァチュアから飲めば、ブル型は、緩く感じるかもしれませんね。
ま、西野嘉高的には、ブル型だな。桃の皮の部分、どこかに‥醸し段階の葡萄の皮っぽさも感じます。やっぱり、やわらかなボディがあって、ショボさはないですね。そして余韻が長いんです‥決して太い線は引きませんが‥か細くも‥長く続くんですね‥余韻が。
白ワイン的な部分もあるんですが‥これは、ロゼでしょう。
椿姫彩菜(←ほれ、男子校出身の本当は男の子‥べっぴん。)が完璧なロゼだとすると、このワインは‥はるな愛(←ほれ、エアあややの人‥おもろい)だな。どっちも本当の男≒白(←ここではね)ではない。はるな愛の場合は、男っぽさ(≒白)もあるが、あくまでもあっち側(≒ロゼ)なわけだ。
そう考えると‥はるな愛のように、楽しくって、おもしろくって‥なロゼワインに思えてくるから‥不思議ですね。ロゼっていいですね。ヘタなショボい赤ワインを飲むよりもよっぽど使いやすい‥無難?と言えば無難なんだろうけれども‥
ロゼ‥好きだなぁ。
二日目です♪二日目は一切冷やしてません。(この時期だと十分冷たいとも言える‥)グラスは初日同様、ヴィノムのブル型で‥。香りも初日と変わりませんが、ヴィエ・ディ・ロマンスのチャントンス・ロゼと比較すると、ボディは抑えめで、香りにはやっぱり白ワイン的なベースは感じます。そう言う意味では、やっぱり白仕立て‥なのですね‥白ワインに近いです。
しかし、ピノノワールな赤いチャーミングな果実がスパイスとなって、ロゼと呼んでもいいほど効いているのも確かですね。口に含んでからも、初日と変わりません。この手のワインは二日目で抜けやダレがあるかもしれないなぁ‥と、ちょっとだけ心配していたのですが‥大丈夫です。そこは、白ワインなベースの酸味がきっちりあるからですね。そして、ピノノワールのタンニンと、果実味がプラスされ、やっぱり余韻は長く感じます。白以上‥ロゼ未満?うーん、やっぱりロゼかな。
香りや果実味にほんのりとした甘味も感じますが、味わいはしっかりドライなのもいいですね。ロゼって使いどころが難しいと言われがちですが、決して難しくないんですよね。白ワインに合うものならロゼもありだし、赤ワインに合うものならロゼもあり。両極端じゃなければ‥間取って‥ロゼ♪いい選択です。
あああでも、白ワインっぽさもあるなぁ‥ああああでも、ロゼっぽさもあるなぁ‥
ま、どっちにしても美味しいなぁ‥
そんな感じで楽しんで下さいね♪
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