Silene Olvano Romano DOC 2004 Cantine Ciolli
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■ シレーネ 2004 カンティーネ・チョッリ
《イタリア/ラッツィオ/赤/チェザネーゼ・ダフィーレ/ミディアム》
極上のチェザネーゼを探す旅‥。
カンティーネ・チョッリは、ローマから車で二時間程‥人口約6500人という小さな街‥オレヴァーノ・ロマーノに居を構えます。この地域は、チェレステ山麓の丘に位置し、標高は約500m‥古くから葡萄栽培が行われていた地域でもあります。
チョッリ家は五世代にも渡り、葡萄栽培農家を続けていましたが、2003年より自社瓶詰を始めた新しい生産者でもあります。それまでは、地元の農協に葡萄を買い取ってもらっていたようですね。現当主のダミアーノ氏は、精魂込めて栽培した葡萄を自らワインに醸造したい‥そんな強い思いから2001年にカンティーナを立ち上げたそうです。
当時は、ローマの近郊‥つまり、苦せずとも消費が見込める≒葡萄栽培農家としてでも十分に喰っていける環境ながら、その質より量な風潮に嫌気がさした‥わけですが、逆に、他の葡萄栽培農家からは、リスクの高い有機栽培を導入することや、厳しい剪定による収穫量の激減、そして、その土地の土着品種ながら、まったく無名な存在であったチェザネーゼ・ダフィーレを栽培し、ワインを造る事は、理解されなかったそうです。
しかし、近年‥こんなチョッリと意を同じにする生産者も増え、チェザネーゼ・ダフィーレはこの地域で復権を果たしました。元々は、多産品種として扱われ、酸とタンニンの強い品種は、補助品種的に使用されるのが常でしたが、チェザネーゼ・ダフィーレ100%のワインも増えてきたんですね。
現在、チョッリのワインは二種類が日本に輸入されており(二種類以上生産しているのかは不明)いずれもチェザネーゼ100%となります。以前にご紹介したのは樽熟成されたチリシウムの方ですが、今回は、同じくチェザネーゼ・ダフィーレ100%をステンレスタンクで仕上げたシレーネをご紹介したいと思います。
極上のチェザネーゼを探す旅‥ついつい、チンチナートを影を追い求めてしまい、樽熟成されたそれ‥を求める傾向にあったのですが、このシレーネを飲んで、チェザネーゼ・ダフィーレのピュアな果実味の素晴らしさ‥再確認いたしました。
やっぱりチェザネーゼ・ダフィーレという葡萄‥
好きです。
さて、今一度‥チェザネーゼに関して補足説明をば‥。
ラッツィオで栽培されているチェザネーゼには実は二種類あるんですね。
□チェザネーゼ・コムーネ
□チェザネーゼ・ダフィーレ
前者のコムーネの方は、別名ボンビーノ・ネロと同品種。後者のダフィーレは、チェザネーゼ・デル・ピーリオと同品種となります。ラッツィオ州では、チェザネーゼ・デル・ピーリオDOC、オルヴァーノ・ロマーノDOCがあるんですね。DOCの詳細まで調べきれてないのですが、今回のチリシウムはオルヴァーノ・ロマーノDOCで、チェザネーゼ・ダフィーレ以外は10%までブレンドが認められているそうです。ヴェロネッリ誌などを見てる限りでは、チェザネーゼ・デル・ピーリオDOCのワインは結構あるみたいなんですが‥もっと、チェザネーゼ・ダフィーレの選択肢が増えるといいな‥と思います。
チルシウムに使用されるチェザネーゼの畑よりもさらに50mほど標高の高い、海抜350mの畑には、チルシウムが樹齢約50年という古木ではなく、約15年のチェザネーゼが栽培されています。同じくステンレスタンクでの発酵期間は、チルシウムよりも3日間長い、15日間の発酵後、そのままステンレスタンクにて12ヶ月の熟成が施されます。
公式サイトもありませんし、ヴェロネッリ誌は、チルシウムしか掲載されていませんが、チルシウムの生産本数が3500本程度‥畑の広さはヴェロネッリ誌では6haとなっておりますので、このシレーネもさほど本数を造ってるとは思えませんね。
もちろんチェザネーゼ・ダフィーレを最も複雑に感じさせるワインはチンチナートで間違いありませんが、このシレーネは、チェザネーゼ・ダフィーレの本質‥核となる個性をストレートに表現しているワインなんですよね‥。
素晴らしいです。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
チルシウムの方は、ブルゴーニュ型のボトルだったのですが、こちらのシレーネは、ボルドー型のボトルなんですね。チルシウム同様‥フォント、挿絵‥センスの欠片もありませんが、いいの‥いいの。同じ2004年のチルシウムは度数が14度‥このシレーネは13.5度の表記となります。キャップシールはビリビリで、コルクは実は圧縮コルクのようなんですが、なかなかしっかりとした刺し心地で合格。コルクのお尻は紫に染まっております。チルシウムとシレーネ‥同一ビンテージは同時リリースなのかなぁ‥それにしても、ステンレスタンクで12ヶ月熟成‥。現地の現行ビンテージよりは、ちょっと遅れてるはず‥だと予想。
実は、このシレーネの方も扱うきっかけになったのは、とあるイタリア料理店で、このシレーネ2004があり、香りを嗅がせてもらったんですよね‥その綺麗な色と、芳香な酒質に‥ハっ!!としましたね。ついつい、チンチナートの影を追い求めるあまりに、樽熟成されたチェザネーゼ・ダフィーレを‥という考えがあったのですが、このシレーネの純粋なチェザネーゼの本質‥核の部分を、しっかり経験しておきたい‥し、経験して欲しいな‥と思ったわけです。
グラスも、その一杯の香りですでに決めてあります。オヴァチュア一択。ついつい、チェザネーゼ・ダフィーレとなると、ブルゴーニュ型でピノ的に飲むのがデフォになっていますが、これはオヴァチュアや、キャンティグラスが似合うはずです。
チルシウム同様、茶色を帯びた小豆色なんですよね。底が見通せる色ですが、どこか光が屈折して見えるのもチリシウム同様ですね。香りは全開ではありませんが、開いてる‥としても差し支えのないレベル。イチゴジャムに、青果のイチゴの葉っぱのところのようなハーブっぽさ‥セミドライのイチジクの香り‥なかなかチャーミングな赤いベリーの香りもいいですね。もちろん、チェザネーゼ・ダフィーレらしさ‥ありますよ‥チェザネーゼ・ダフィーレならではの、甘味のある香りがあるんです。
ちょっと揮発するハーブ香が、病院の香りっぽさもあるんだけども‥病院の何なのかはわかんない‥。シップ薬ではないんだが‥そんな感じもありますね。とはいえ、果実香主体ですからご安心を‥。この香りのレベルなら、ブルゴーニュ型でもよさそうな気がしてきたが‥まぁいい。この価格ながら‥なかなか複雑な香りもありますね‥でも、それはどれもこれも‥チェザネーゼ・ダフィーレを構成する感じで‥ピュア‥一本気‥そんな感じです。
漢方‥養命酒ほどのアルコール感ではないんですが、ある意味、漢方な病院の香りなのかもしれませんね‥。うんうん、だんだんそういう感じがしてきた‥。
ツムラ。
そんな感じです。西洋医学なんだけど‥東洋医学な薬な感じね。うーん、香りがイイですね。ほんとイイ。チェザネーゼ・ダフィーレ‥最高ですね。
チルシウム同様の赤く濡れたラムネ菓子‥漢方っぽいのは、シナモンとかクミンとかなのかなぁ‥。胡椒とかそいう感じのスパイスではないんだけどね。
口に含みますと、キラっとルビーな光を持つミネラル、綺麗な酸味があるんですが、その酸味は高音ですね‥1オクターブ高い位置に感じます。予想以上にエキス感がありますが、基本、ピュアな酒質なので‥香りほど複雑な含み香はありません。終盤にかけて、ピンクグレープフルーツの、苦味を軽く感じます。
グラスから放たれる芳香な香り‥そのハーブっぽさ、ラムネっぽさは、中盤から余韻に向けて、奥へ奥へと‥吸い込まれるように‥それが白く見えるんですね。甘味はありますが、ジャミーではありません。渋味も、その苦味を相まって‥いいレベルですね。酸味も高音ではありますが、キツイわけではありません。まだまだ馴染みそうな気がしますね。
うん、ミディアム‥旨いです。
樽がかかってなくても、ちゃんと果実の甘味は、チェザネーゼそのもので‥
なーんだ、樽がなくても、やっぱり美味しい品種やんっ!!
二杯目です。チェザネーゼらしい香りの立ち方‥芳香だけど芳香剤な揮発な感じではいんだな‥放たれる‥翼を広げる感じ。このワイン色の翼がぶわーっと。
残糖感じゃないんだけれども‥蜜っぽい甘味のある香りなんですよね‥でもドロドロのハチミツではないんですが、さらっとしてる蜜‥でも色は黄金ではなく、黒っぽい蜜‥ところてんにかける黒蜜が紫な感じですね。蜜らしい重さをもった甘味のある香りなんです。
穏やかな酸味ですね。一杯目は高音な酸味と書きましたが、音域は通常に戻った印象。ピンクグレープフルーツの、実の周りの皮の苦味かなぁ‥ミカンでいうところのピロピローの部分‥そんな感じがありますね。スパイスの感じは、チルシウムよりも少なめ‥かな。その分、ツムラの漢方ちっくな要素を多く感じてるのかもしれません。
ピュアで、ストレートなチェザネーゼ・ダフィーレなんだけれども‥チェザネーゼ・ダフィーレ自体が、複雑さを感じやすい品種なもんで、この価格で、これだけ楽しませてくれるのが‥嬉しいですね。だんだん、バイオレットな感じもでてきたかなぁ‥富良野には行ったことないけれども‥よくテレビでみる、富良野のラベンダー畑ってこんな感じかもしんない‥。
嗅げば、嗅ぐほど‥複雑でもあるのですが‥
素晴らしい!!
チルシウムも良かったのですが、同等にいいですね。
二日目です♪この独特の香り…チェザネーゼ・ダフィーレだなぁ。やっぱり柑橘っぽさもあるんだよな。それもやっぱりピンクグレープフルーツっぽい。フレッシュのザクロでもあるんだけれども‥。この個性‥決して癖じゃないのよ‥やっぱ香りの放たれ方は独特だしね‥。ちなみに‥二日目もオヴァチュアですよ。
口に含みます。初日とさほどかわりませんが、深みは出てきましたね。病院の香りは控えめになってきたかな‥ピンクグレープフルーツや、ザクロに、やっぱり赤いベリー系がチャーミングですね。飲み込んだ瞬間の‥フワっと‥白いハーブが‥パっと‥もいいですね。
アセロラの酸味‥これまたいい。チルシウムの毒味は、チンチナートと比較し過ぎたな‥もっと美味しく飲んでやれたかもしれない‥まぁ正直にチンチナートと比較してネガティブな部分も書いたんだけれども‥このシレーネは、純粋にチェザネーゼ・ダフィーレとして飲めてる‥し、美味しく飲めてるな。喉に感じる苦味が薬っぽさ‥まだあるかな‥嫌いなお客様もいてるかもしれませんね‥。
フラワリーとも言えるし、ある意味スパイシーな感じもなきにしもあらずなんだが‥一言で形容できない、とてつもなく個性が魅力‥その魔力にハマると‥なんだな。他の葡萄品種とは、何か、根本的に違う何か‥魅力的なものがあるんだな。
三日目です♪うーん、グラスから放たれる香りに変わりはなし。基本的に強い酒質なんですよね。だから、チンチナートのリリース仕立ては二週間必要だったんですね。口に含んだ感じも、さほど変わりませんが、まとまりは感じます。美味しいですね‥ほんと、美味しい。含みたても‥余韻も、すべてが好きです。ボディはミディアムとさせていただいてますが、実態…というか、味は‥フルなんですけどね。このシレーネは13.5度ですが、14度ぐらい?なアルコール感があるのも、チェザネーゼ・ダフィーレの特徴かな。
なるほどなぁ。
樽という化粧をしないスッピンのチェザネーゼ・ダフィーレ‥。チェザネーゼ・ダフィーレの本質的で基本的な特徴を把握する‥のみならず‥美味しい‥ほんと美味しいワインですね。合わないお客様には合わないかもしれませんが、チンチナートが美味しい…と思えるお客様には合うはず。チンチナートと比較するのは愚問ですかね‥。極上のチェザネーゼを‥チェザネーゼ・ダフィーレという葡萄品種を経験するに、とっておきのワインですよ。
なんてったって‥2380円(税込)。他の品種、他のワインと比較しても、ちゃんと構成感のある、基本的なワインとしての良さも感じていただけるはずです。
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