Bianco Trinoro 2019 Tenuta di Trinoro【第一回販売分】
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ビアンコ・ディ・トリノーロ 2019 テヌータ・ディ・トリノーロ
《イタリア/トスカーナ/白/セミヨン/辛口》
テヌータ・ディ・トリノーロの位置するサルテアーノ地区の中でもメドックと似ている土壌の小区画でセミヨンを栽培しい始めたのが2002年のことだそうです。実験的に様々な品種の栽培や醸造をしているはずですが、そもそもシュヴァルブランに憧れてカベルネフランを突き詰めてきましたし、彼が手がけるイタリアの土着品種といえば、そもそもローマ出身のフランケッティらしいチェザネーゼ・ダフィーレや、初期はウーヴァ・ディ・トロイアなどで(今はやめましたけどね)、トスカーナらしいサンジョヴェーゼなどの土着品種には目もくれませんね。シチリアはエトナではネレッロ・マスカレーゼとなりますが、白はシャルドネ、ヴィエニエを実験的に栽培していた時期もあったはずです。
時にデザートワインとしてはモスカートとピコリットなどから「スループ」を(NVですが2004年ビンテージ、弊社で紹介したのは2009年のことですね)、同じ2009年にはミネッラ、グレカニコ・カタラット、コーダ・ディヴォルペ、インソリア、カリカンテなどからなる「ビアンコ・ドルチェ」も(NVですが2007年ビンテージです)をリリースしています。全てが全て、自社畑からのものかどうかわかりませんが(きっとそう)、決して土着品種をなえがしろにしているわけでもなさそう。最終的な彼自身の趣味趣向は色々と試した上で原点に戻るのかもしれません。
基本的にボルドーワインが好きなんですよね。彼のセラーを見たあたしが言うんだから間違いない(キリッ)。イタリアのワインもありましたが、国際品種からなるIGTが多かったですしね。それは、結局白も‥ということになるのかもしれません。実験的な栽培や醸造を重ね、公にリリースとなったのは2017年ビンテージ。生産本数はたったの1,000本でした。2017年も日本市場でリリースがありましたがあまりにも少量、もちろん私物として所有していますが、これは出しませんよ。そもそも、あたしもまだ飲んでませんからね。
トリノーロの公式インスタグラムで、発酵槽の名札に「BIANCO」の記載のある画像を見た記憶があります。当時はまあ、なんか作ってんだな。自家消費で白を作るのは不思議ではないわな、リリースされたら飲んでみたいな‥程度でしたが、ついにリリースされたのがこのビアンコ・トリノーロとなります。前述のビアンコ・ドルチェとラベルのイメージは同じ。白地に黄色となります。
フランケッティのことですからね。そのスループもビアンコ・ドルチェもリリースされたのは一度きり。かのチンチナートも3ビンテージで終了しましたし、パラッツィだって最初は3ビンテージのみでしたから、このビアンコ・トリノーロもいつまでリリースされるかは不明です。
今回は、サードビンテージとなる2019年のご紹介です。公式サイトの情報では、海抜630mに位置するセミヨンが栽培されている畑は0,5ha。樹齢が18年と記載されていますので、植樹は2001年となっています。株密度はトリノーロらしくhaあたり10,000本と高密植となります。2019年の収穫は9月14日、18日、26日。収穫されたブドウはステンレスタンクで10日間のアルコール発酵の後、澱とともに50リットルのガラス容器で1年間の熟成。2021年の2月に瓶詰め。2019年の生産本数は2,446本となります。
公式サイトのテクニカル情報では2019年もセメントタンクでの熟成と記載がありますが、実際には50リットルのガラス容器とのこと。セメントタンクに内側がガラスコーティングされているような気がしています。生産本数は若干増えましたが、いうても2,446本。正規輸元の日本市場への割当(販売数)は2018年同様146本とのこと。
セミヨンといえばやはりボルドーの白のイメージですね。オーブリオンの白も、リューセックの白もソーヴィニョンブランとの混醸のようですが、あとは貴腐ですか。サルテアーノで貴腐を狙っていたかどうかはわかりませんが、辛口に仕上げられたセミヨン、なかなかイタリアでセミヨンもありませんので、飲み慣れないかもしれませんが、新鮮で、いい青さのある果実の香味、ほのかな甘味、酸の質もすばらしい出来栄えですね。樽ドネのようにパッとわかりやすいタイプではなく、エレガントなタイプ。グラスはボルドータイプで比較的大振りなグラスがいいし、温度もキンキンからスタートしていただいて結構ですが、少し温度が上がってくると行き渡る酸味に、旨味とボディも乗っかってくるタイプですね。アンドレア・フランケッティが、満を持して「トリノーロ」の名前を冠してリリースする「ビアンコ・ディ・トリノーロ」。さすがにお値段も「トリノーロ」ですが、長期熟成も視野に入れた作品だそうで、先も楽しみですね。
なお、2017年と2018年は「ビアンコ・ディ・トリノーロ」というワイン名となりますが、この2019年(から)「ビアンコ・トリノーロ」となっています。ちなみに、正規輸入元さんも間違えたまんまんです(どないかせい)。
ワインアドヴォケイト/93点(M.L.)
Only in its third year, this Semillon-based white is a relatively new experiment for a vintner who has made important strides in modern Italian red wine. The Tenuta di Trinoro 2019 Bianco di Trinoro is beautifully smooth and silky rich in texture. The intensity of the mouthfeel gives momentum and a lasting flavor profile. Orchard fruit, pear, apricot and fleshy apple segue to a mild point of mineral or crushed stone. The fruit is harvested from one of the estate’s highest plots (at 630 meters in altitude) with sandy soils. Production is only 2,446 bottles.
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
緑色瓶。黄色味がかった薄いクリーム色地に、お馴染みのエンブレムやワイン名は黄色で描かれています。キャップシールはシルバー。シンプルですがチープではないですね。コルクはなかなかの質の4,5cm、冷蔵庫キンキン温度、グラスはシュピゲラウのユニバーサル型、表記のアルコール度数は12,5度、ちなみに7,8度となっています。
香りからも皮の黄色は濃すぎない柑橘の果汁や、黄色の皮を持つストラスに白い果肉果汁、白い花の香りが溶け込んだ感じ。酸を感じさる柑橘香は爽やかですが、香りからも密度の高さが伺えます。シャルドネのようなたっぷりフルーツではなく、豊満ではなくタイトな感じがとてもスタイリッシュ。微かに火薬のような土壌の香りや、ミネラル香があります。
口に含みますと、12,5度を実感しますね。どうして、このワインが12,5度なのか、ある意味、12,5度に調整されているようにも思いますね。アルコールのボリュームに頼らない、酸味もあるし、まだ若いのでサッパリとしていますが、この酸味にこそ熟成ポテンシャルがあり、度数が低いからこそ、また熟成ポテンシャルがあるんだな。ツーっと酸味が線を引くように味わいや香りを余韻に誘います。終盤にラムネの風味がありますが、粉っぽさはなし。温度が低い状態でも実はそれなりのボリュームと密度があるのですが、この酸や、タイトなスタイルがシュっとしてるんだな。うん、とても繊細‥樽ドネのように、ドーンと満足感がすぐに来るタイプではないが、少しだけ繊細に注意深く飲んであげると、とても複雑だし、実は(←実は)すんごい密度が高くて(アルコールに頼らない)ボリュームもあるんだけれども、この上質かつ、豊富な酸が、ぱっと見はそんな顔を見せてないんだな。
甘味に関しては、酸味やほのかな苦味な柑橘に少しある。基本ドライなしっかりとした辛口となります。12.5度、これポイントだなあ。ワイン単体だと物足りなく感じさせそうで、感じさせない。決して難解なワインではありません。実は、トリノーロの他のワイン同様に、飲めば納得、誰でもその良さが理解できるワインですが、他のトリノーロのワインと違うのは、果実の香味の圧倒的なボリューム、もちろんそこにアルコールもあり。そこに感じる満足感‥そいいうスタイルとはちょっと違う。
温度は11度。ほのかな苦味が少しましてきました。旨味もちょっと出てきましたね。酸は変わらず中心に位置しています。まだまだ温度は上げれるし、上げてもいい。旨味が増すとそこに甘味が乗ってくる。これね、決してインパクトが大きい、迫り来るトリノーロ系の感じじゃないんだけれども、バランスに秀で、とてもいい、とてもおいしいワイン。うん、味わいは実は力強く、味の余韻も長い。
二日目です。軽く冷やして13度です。香りは初日と変わりませんね。少し爽やかさも感じますが、重心は低い。口当たりは、輪郭からしてとてもなめらかシルキーで密度感がありますね。濃いと感じさせないのは、酸味の恩恵ですが、フルボディに近い厚みも感じますよ。ほんとフランケッティのワインの中でも鬼才が生んだ異端児と言えるかもしれませんが、実はフランケッティって、とても穏やかで物静かで‥トリノーロやクーポレのようなフルーツ爆弾なタイプじゃないギャップ萌えもなきにしもあらずでしたが、これはフランケッティそのものに感じますね。いい意味で寡黙(閉じてませんよ)でエレガント、神経質と繊細の間。辛口な酸味があり、ほんのり苦味と相乗効果でドライな風味。ソーヴィニョンブランを混醸されることも多い品種ですが(ボルドーとかはね)、単一でもこれだけポテンシャルがあるんだな。しかも、トスカーナはサルテアーノの地で。南アフリカなんかもセミヨン単一があったような気がしますが(飲んだことはないぞ)、何か共通する土壌などもあるのかもしれません。
三日目です。三日目も13度ですね。グラスは終始シュピゲラウのユニバーサル型です。やわらかな洋梨や桃などの白い果汁にリッチさがありますね。でも、白いセージのような爽やかさと、春の野菜のような苦味、ミネラルと、三日目は塩気も少し感じます。バランスいいですね。花の香りも芳香過ぎず。ん、確かに春野菜と合いそうですね。春野菜の天ぷら、おいしい藻塩でどうでしょう。ホタルイカや、新タケノコなんかも良いのではないでしょうか。まだ3ビンテージ目と若いワインですが、方向性は一貫してますね。赤は基本混醸ですが、この白は単一、しかもセミヨン、その意図、もっと知りたかったなあと思いますが、それを紐解いてみませんか?なんらかのメッセージがあるように思うんですよね。ぜひ飲んでみてください。
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