Chianti Classico 2010 Poggio Scalette
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※他店分を確保しました!
キャンティ・クラッシコ 2010 ポッジョ・スカレッテ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョベーゼ/ミディアム》
醸造家として数々の生産者の作品を手掛けているヴィットリオ・フィオーレ氏‥イタリア醸造技術協会理事や、国際醸造家組合執行委員なども勤め、イタリアワイン界の重鎮であり、その功績は計り知れません。1978年、病気がちな妻の体調を気遣い、環境のよいトスカーナに移住することを決意。またこれまでの経験と知識、理想を具現化するために自身のワインを造るべく畑を探し始め、ついに1991年、グレーヴェ・イン・キャンティ地区のルッフォリに理想の畑を見つけ出します。
1800年代後半、フィロキセラの害により、イタリアの畑は全滅しますが、その後‥第一次世界大戦後に初めて植えられたサンジョベーゼがある、この畑を、当時の農夫達が「イル・カルボナイオーネ」と呼んでいたことから名付けられました。
そこに植わるサンジョベーゼは、サンジョベーゼ・ディ・ラモーレと呼ばれるオリジナルのクローンで、樹齢70年を越える古樹が大事に育てられています。キャンティ・クラッシコエリアではありますが、その土壌は石灰やガレストロではなく、砂岩質や、砂質が主体で、水はけの良く、その標高の高さは、日夜の寒暖の差をもたらし、風が吹き込む独特の山肌に広がる畑は、夜9時になっても、葡萄は太陽の光を浴びながらも、涼しく、病気から葡萄を守るミクロクリマとなります。
1968年に生まれのがヴィットリオの息子であるユーリ・フィオーレ。1992年にブルゴーニュのボーヌ醸造学校「Beaune Technicien Supereur en Viticolture ed Oenologoe」にて醸造課程を終了し、1993年から偉大なる父、ヴィットリオと共にポッジョ・スカレッテ働き始めます。そして現在は実質的にユー李が主導し、イル・カルボナイオーネのみならず新しいワインにも挑戦しています。2007年が初ビンテージというカベルネソーヴィニョン、メルロ、カベルネフラン、プチヴェルドを各25%混醸したカッポガットや、かつてはピンキオーリ専売だったメルロ100%のピアントナイア、シャルドネ100%となりリキアーリも一度飲んでみたいワインですね。
基本的にそのサンジョヴェーゼから、良いものをひとつだけ‥というコンセプトで1992年に生まれたイル・カルボナイオーネ‥。その品質に満たないものは、すべてバルクワインとして販売しておりましたが、その量は生産量の約55%にも及びます。販売先では、それをキャンティ・クラッシコ・リゼルヴァとして販売している蔵元もあり、もちろんその質はイル・カルボナイオーネ未満としても素晴らしいもので、長年、各国の取引インポーターからキャンティ・クラッシコも瓶詰めしてみては?というりくえストがあったそうです。
ユーリは約20年、父であるヴィットリオが始めたアジェンダで働くことになったわけですが、ポッジョ・スカレッテでは原産地呼称ワイン(DOCやDOCG)のワインを生産しておりませんでした。もちろん畑はキャンティ・クラッシコDOCGエリアの中にありながらも‥。ユーリのチャレンジ精神と(きっとオヤジのやってないことをしたい‥という息子的な考えはあると思うよ‥うんうん)、前述の市場からのリクエストもあり、2009年からキャンティ・クラッシコDOCGを造ることとなりました。
ポッジョ・スカレッテと言えば、サンジョベーゼ・ディ・ラモーレとなりますね。もちろんこのキャンティ・クラッシコも、サンジョヴェーゼ・ディ・ラモーレが100%使用されています。ただし、比較的樹齢の若い区画から‥とのこと。現在、ポッジョ・スカレッテが所有する葡萄畑は22ha‥その内、サンジョヴェーゼは15haとなり、そこからイル・カルボナイオーネとキャンティ・クラッシコの葡萄が収穫されますが、その樹齢が80年の区画、40年の区画、10〜20年の区画と分かれており、どの区画の葡萄もイル・カルボナイオーネにもキャンティ・クラッシコにもなる可能性を持っていますが、やはりイル・カルボナイオーネになる葡萄はたいていが高い樹齢からの葡萄となるそうですが、収穫後、アルコール発酵とマロラクティック発酵が収量する11月〜12月後半の段階で試飲をして、最終的に振り分けられているそうです。
標高350m〜550mの西南西の畑は、砂質、砂岩質(水はけに優れた石だらけ)と、少々のガレストロ、泥質の土壌に、コルドーネスペロナートとグイヨで仕立てられた樹齢30年〜35年のサンジョヴェーゼは、若い畑はhaあたり7250本の高い植樹率、古い畑はhaあたり3000本の植樹率となります。収穫されたサンジョヴェーゼはセメントタンクにて15〜18日間の醸しとアルコール発酵の後、マロラクティック発酵が施され、セメントタンクの中で約10ヶ月の熟成後、40ミクロンという非常に軽いフィルターで濾過された後瓶詰されます。この2010年の生産本数は15000本と2009年ビンテージよりも増えましたが(ヴェロネッリ誌では2009年は3600本との情報)、まだまだ世界の市場の需要に応える本数ではありませんが今後が楽しみなワインですよね。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ラベルデザインはイル・カルボナイオーネの色違い的にポッジョ・スカレッテのスタイルを踏襲するもので、国際品種で醸されたカッポガットだけ違うデザインなのは‥と、思いきや‥メルロのピアントナイアもこっち系だった‥。鮮やかな紅色のキャップシール、この価格帯ならもうちょっと安っぽい瓶を使いそうだが、しっかりしたボルドー型瓶を使ってくれるのは嬉しい。コルクはまぁまぁの質の4.5cm、表記のアルコール度数は13.5度、グラスはオヴァチュアとさせて頂きます。思ったよりも濃い目に映るルビー色で、注ぎ立ての泡は紫。樽熟成してたっけ?と一瞬確認したくなるローストっぽい香りがあるが、小豆の紫の殻の香り。チェリーならアメリカンチェリー。ブルーベリーなど、ベリー系の果実香主体で、香り高い。ブラッドオレンジか、ピンクグレープフルーツか?それらを漬け込んだカンパリの香りが印象的。口に含みますと艶っぽい酸味が輪郭部分から内側に染み込んでいく感じ‥ああ、こういうタイプは久しぶりだな。基本的に内側からじわっじわ染み出す感じなんだが、このワインは外側から浸透する。含み香も、ディスクから放たれる香りと同じで、ローストっぽい小豆の大気圏の内側には果実香がある。瑞々しいミネラルもあり、ミディアムボディ。酸味、渋味ともに穏やかで質の高いもの。初日の一杯目ですので、まだ旨味は大人しいですが、さらにジューシーに、旨味も出て来そうな酒質ですね。
イル・カルボナイオーネ2009をテイスティングした直後の二杯目。うん、やっぱりこちらはキャンティ・クラッシコだなぁ。一杯目よりもより石灰質な土壌を感じる。比較すればエレガントとも言える(一杯目はそれなりに強さもあるやん‥と思ってたが)。二杯目にして、ふんわりとまとまってきた‥バランス良好。ああ、CCにはCCとしての良さがあるし、イル・カルボナイオーネにそれに相応しい良さがあるのだな。もちろんいわゆるセカンドワインではあるが、TTP‥もとい、TPOに応じてですなぁ。しっとりとCCらしい粉っぽさが濡れる。奥底から甘味も‥うーむ侮れない。
実は、初ビンテージの2009年も所有しているが、未だ飲んだことはない。この2010年も輸入元さんに相当エレガントと聞かされていたのですが、とんでもない‥もちろん、イル・カルボナイオーネと比較すれば‥となりますが、しっかりとしたキャンティ・クラッシコで、確実に価格設定ミス‥俺ならもう500円高くもらうな。
二日目です。グラスはオヴァチュア。紫のプラムの香りがいいですね。どこか揮発するカンパリの香りも‥。口に含みますと、グっと甘味が引き立ってきましたが、同時に酸味も沸き上がってきますね。初日ほどローストっぽさはなく、終盤にサンジョヴェーゼ特有の粉っぽさを感じます。まだまだまとまる余地を残している二日目。うん、旨酸っぱさがいいですね。
三日目もオヴァチュア。スミレの香り‥ふぅ三日目にしてエレガントに感じる。口に含んでも同様‥キレイな甘味、紫の果実がおだやかでチャーミング。ミディアムボディですが、渋味も酸味もしっかりで、その分強さも感じる。終始、穏やかながら苦味がアクセントかな。鼻に抜ける香りにバルサミコ。うーん、しっかりと複雑味もあって‥やっぱりこの価格は安過ぎますよ。
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