Guardiola 2011 Passopisciaro
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グアルディオーラ 2011 パッソピッシャーロ
《イタリア/シチリア/白/シャルドネ/辛口》
テヌータ・ディ・トリノーロを率いるアンドレア・フランケッティ氏のシチリアプロジェクトであるパッソピッシャーロ。彼が醸す唯一の白ワインがこのシャルドネからなるグアルディオーラとなります。2007年が初ビンテージで、この2011年は5年目となります。アンドレア・フランケッティ氏の鬼才と呼ばれる元凶は、その実験魂かもしれません。結果、シャルドネが‥商品化されましたが、シチリアに畑を買った当初はヴィオニエなども栽培していた‥と聞いておりましたし、今でも、色んな品種を実験的に植えているはずです。
畑の面積は約4ha(昨年までは5haと記載)。標高1000mというエトナ火山の山肌に位置します。深さ30mの溶岩灰は非常にミネラル分が高く、元々の肥料に富む土壌。haあたり12000本の株密度で、列と列の間隔、葡萄の樹同士の間隔はいずれも約90cmとなっています。地面から約60cmの地点でのグイヨ仕立てでシャルドネが栽培されています。もちろん、ネレッロ・マスカレーゼやネレッロ・カプッチョの樹齢の高いブドウ樹が栽培されているグアルディオーラの区画ですが、そんな火山性土質のミネラル豊かな土壌はシャルドネにも‥という判断かと思われます。
樹齢は9年。散布されるのは、プロポリ、銅、硫酸塩となります。haあたりの株密度がなんと12000本という尋常ではない高い密植で9月の5日〜15日の間に収穫されたブドウは収穫後5度に冷やされた部屋に運ばれ醸造が始まります。低温で圧搾されたマストは、約17度のステンレスタンクで約15日間の発酵。その後、50hlのコンクリートのヴァットに移されますが、この2011年はマロラクティック発酵に関して言及されていません。また、2010年は40hlのオーストリア産の大樽で3ヶ月の熟成が施されていましたが、この2011年は公式サイトでは樽は使われておらず、コンクリート製のヴァットで12ヶ月の熟成と記載されています。
その標高の高さを感じさせる冷涼なシャルドネで、その火山性のミネラルがしっかりと溶け込んだ酒質は、フランケッティ氏が醸すワインは決して濃いだけが持ち味ではないのを再確認させてくれるかもしれません。彼の思い描くシャルドネはこんなスタイルなんですね。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
お馴染みのラベルに表記のアルコール度数は13度で、2010年と同じ。正確なアルコール度数は13.17度。コルクは並質の4.5cm。冷蔵庫キンキン温度、グラスはぁ‥樽じゃないならオヴァチュアでもいいかもしれないと思いつつまずはブルゴーニュ型。
透明度があり、ちょっと黄緑色のニュアンスのあるレモンイエロー。とてもミネラリーで火打石の香りと高音の柑橘、凍らせたレモンピール、温度が低いので迫るような香りではありませんが閉じではいません。口に含みますと、とてもまろやかな液体で柑橘の旨味がありますね。ミネラルはしなやかに溶け込んでいて果実味がまろやかです。ただ、樽に由来するマロさではなくあくまでも果実の密度と、溌剌ではない酸味がそう感じさせるんだと思います。シャルドネの優しい甘味があり、香りは皮ですが味わいは熟れたグレープフルーツの果肉。ハーブ系の緑の要素は少なめながら存在しますし、フレッシュなパイナップルの果汁。ブルゴーニュ型グラスだとちょっと大き過ぎるかも?と思っていたのですが、弱いと感じることなくバランスを保っていてとても美味しいですね。念のためオヴァチュアでも試してみますが…うーん、違うな。ブルゴーニュ型がオススメです。
とても可憐な白い花、ジンジンではなくジーっとしたスパイスが遊ぶよう。ふむ、樽は使われてなさそうですが、とてもまろやかですね。でも、キチンと酸がありミネラリー。樽を使わないシャルドネとしてとても美味しい。
なんだかんだと樹齢も上がり、シャルドネ自身のポテンシャル向上をヒシヒシと感じる2011年ですね。エトナ特有の気候や土質を見極めれるようになった成果かもしれませんね。
樽熟成ではないので基本は冷えていた方が似合いますが、温度が上がってきますと旨味が増しますね。とても旨酸っぱい感じがとても美味。
オヴァチュアがダメなわけではありませんが、ちょっと窮屈で、ミネラルも果実も、もっと開放してあげたい。
二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはブルゴーニュ型一択で間違いないでしょう。初日よりもまとまりを感じますが、初日同様にしっかりと密度ある果実の香味はやさしく膨らみます。ミネラリーなんだけれども、果実味もたっぷり。ステン仕立てのシャルドネとしてひとつの完成形を見せつけられたような感覚です。ただし、ブルゴーニュ型グラスですよ。三日目まで持たず‥飲み切ってしまった。美味しい!
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