Guardiola 2012 Passopisciaro
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グアルディオーラ 2013 パッソピッシャーロ
《イタリア/シチリア/白/シャルドネ/辛口》
テヌータ・ディ・トリノーロを率いるアンドレア・フランケッティ氏のシチリアプロジェクトであるパッソピッシャーロ。彼が醸す唯一の白ワインがこのシャルドネからなるグアルディオーラとなります。2007年が初ビンテージで、この2012年は6年目となります。アンドレア・フランケッティ氏の鬼才と呼ばれる元凶は、その実験魂かもしれません。結果、シャルドネが‥商品化されましたが、シチリアに畑を買った当初はヴィオニエなども栽培していた‥と聞いておりましたし、今でも、色んな品種を実験的に植えているはずです。
畑の面積は約4ha。標高1000mというエトナ火山の山肌に位置します。深さ30mの溶岩灰は非常にミネラル分が高く、元々の肥料に富む土壌。haあたり12000本という高い株密度で、列と列の間隔、葡萄の樹同士の間隔はいずれも約90cmとなっています。地面から約60cmの地点でのグイヨ仕立てでシャルドネが栽培されています。もちろん、ネレッロ・マスカレーゼやネレッロ・カプッチョの樹齢の高いブドウ樹が栽培されているグアルディオーラの区画ですが、そんな火山性土質のミネラル豊かな土壌はシャルドネにも‥という判断かと思われます。
樹齢は10年。散布されるのは、プロポリ、銅、硫酸塩となります。haあたりの株密度がなんと12000本という尋常ではない高い密植ですね。昨年h亜9月の5日〜15日の間の収穫と記載していますが、この2012年は8月に13回に分けての収穫だそうです。
収穫されたブドウは収穫後5度に冷やされた部屋に運ばれ醸造が始まります。低温で圧搾されたマストは、約17度のステンレスタンクで約15日間の発酵。その後、50hlのコンクリートのヴァットに移されます。2011年は樽は使われていませんでしたが、この2012年は前述のセメントタンクと大樽の併用と記載があります。熟成に関しては期間が容器を含め各ビンテージでばらつきがありますが、これは安定していない‥という意味ではなく、その年のブドウに最適な方法が取られていると解釈が正解です。表記のアルコール度数は13度と2010年、2011年と同じですが正確なアルコール度数は13.35度で2011年よりも気持ち上がっています。
2012年ビンテージ情報(輸入元資料)
2012年8月、エトナ山では大規模な森林火災が発生、風により煙や熱がGuardiolaの畑にも流れてきたため最終的に約3,000本分にあたるシャルドネ品種が被害を受けました。しかしその被害を受けなかった分のシャルドネは2012年は素晴らしい収穫年となりました。5月から収穫までの間殆ど降雨がなく、かつ暑かった夏はブドウ樹に若干ストレスをあたえたものの、健康で成熟してブドウの収穫が出来ました。今までのヴィンテージはボトル熟成により少しずつ豊富なアロマが現れてきましたが、2012年は洋ナシなど非常に強い白果実系のアロマが既に全面に感じられる平年よりもボディのあるワインとなりました。フランケッティ氏曰く、現在までのGuardiola白で最高のヴィンテージであるとのこと。(ほんまやな!)
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
コルクはまあまあの質の4.5cm。2011年よりも色合いは濃い目に見えますね。は少し黄緑のニュアンスがあるのは同じですが、もちろん透明度はありますが、なかなか艶と照りのあるシャルドネの色合い。ほお、確かに洋梨の香りが顕著ですね。柑橘よりも、洋梨、白果実香の瑞々しくも糖度も感じる熟れ加減。もちろんミネラルや、みかん果汁的な柑橘。黄色の花、樽はあまり感じない。ちなみに冷蔵庫ややキン、グラスはヴィノムのボルドー型です。
口に含みますととてもミネラリーで、樽のヴァニラがふんわりと鼻を抜ける。しっかりと密度、厚みを感じますね。含み香にも洋梨‥酸は柑橘系で不足感はない。余韻も長いですね。これがエトナでの山火事があったビンテージとは思えません。
リリース仕立てですがフレッシュ感が控えめなのはやはり樽熟成のニュアンスがあるからかな。柑橘の音域が2011年よりも低めなんですね。とはいえ、新鮮なパイナップルやグレープフルーツの果肉も感じます。シャルドネ感‥ちゃんとあって美味しい。
二日目もヴィノムのボルドー型。まったく冷やしていません。エトナらしいミネラル香、口に含むと確かに樽は感じますが強いものではありません。透明感あるシャルドネで、確かに2011年よりも126%の厚みと、108%の甘味がありますね。シャルドネの柑橘のまろやかさが旨味と厚みにリンクしてとても美味しい。
2011年は2011年で、ステン仕上げで良かったー!と書きましたが、この2012年はちょっと樽がかかってて良かったー!ってなんてご都合主義なのかしら‥と思うもどっちも美味しく感じるんだから仕方ないし、幸せ者だ。
輸入元のテイスティグコメントに火打石とある。確かにある。ミネラルなんだけれども、火打石のカチカチとして硝煙反応のような独特の香りね。ただし、口当たりがまろやかになったので柑橘や酸も尖ってない。どこかに薄ーいカスタードの風味(←ここ樽っぽさ)。
三日目も冷やさず。グラスはサイズダウンせずにヴィノムのボルドーで勝負。ぽってりとした樽ドネではなく、ステン仕上げのようなミネラル重視なスタイルながら、香味に樽ドネらしさがやはりありますね。口当たりのほどよい厚みと、ハニーな甘味がジンとして、やはり薄めのカスタードの風味もとてもいい。三日目でも崩れないし緩まない。
ああ、ブルゴーニュ型グラスでも試せばよかった‥とちょっと後悔しながらも、まあ次はブル型にしよう。なめらかで厚みもあるんだが、軽快さがあるのよね。とても飲みやすい樽ドネで、甘味もほんとクドくない。ステンで仕上げた2011年も素晴らしかったが、樽も併用のこの2012年‥過去最高は大袈裟ではありませんね。年々良くなってくる。ほんと素晴らしいシャルドネですよー!
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