Il Carbonaione 2012 Podere Poggio Scalette
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イル・カルボナイオーネ 2012 ポデーレ・ポッジョ・スカレッテ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ/フルボディ》
醸造家として数々の生産者の作品を手掛けているヴィットリオ・フィオーレ氏‥イタリア醸造技術協会理事や、国際醸造家組合執行委員なども勤め、イタリアワイン界の重鎮であり、その功績は計り知れません。1978年、病気がちな妻の体調を気遣い環境のよいトスカーナに移住することを決意。また、これまでの経験と知識、理想を具現化するために自身のワインを造るべく畑を探し始め、ついに1991年、グレーヴェ・イン・キャンティ地区のルッフォリに理想の畑を見つけ出します。
1800年代後半、フィロキセラの害により、イタリアの畑は全滅しますが、その後‥第一次世界大戦後に初めて植えられたサンジョベーゼがあるこの畑を、当時の農夫達が「イル・カルボナイオーネ」と呼んでいたことから名付けられました。
そこに植わるサンジョベーゼは、サンジョベーゼ・ディ・ラモーレと呼ばれるオリジナルのクローンで、樹齢70年を越える古樹が大事に育てられています。キャンティ・クラッシコエリアではありますが、その土壌は石灰やガレストロではなく、砂岩質や、砂質が主体で、水はけの良く、その標高の高さは、日夜の寒暖の差をもたらし、風が吹き込む独特の山肌に広がる畑は、夜9時になっても、葡萄は太陽の光を浴びながらも、涼しく、病気から葡萄を守るミクロクリマとなります。
1968年に生まれたのがヴィットリオの息子であるユーリ・フィオーレ。1992年にブルゴーニュのボーヌ醸造学校「Beaune Technicien Supereur en Viticolture ed Oenologoe」にて醸造課程を終了し、1993年から偉大なる父、ヴィットリオと共にポッジョ・スカレッテ働き始めます。そして現在は実質的にユーリが主導し、イル・カルボナイオーネのみならず新しいワインにも挑戦しています。2007年が初ビンテージというカベルネソーヴィニョン、メルロ、カベルネフラン、プチヴェルドを各25%混醸したカッポガットや、かつてはピンキオーリ専売だったメルロ100%のピアントナイア、シャルドネ100%となりリキアーリ。そして2009年からはキャンティ・クラッシコDOCGをリリースしています。
標高350m〜550mの西南西の畑は、砂質、砂岩質(水はけに優れた石だらけ)と、少々のガレストロ、泥質の土壌に、コルドーネスペロナートとグイヨで仕立てられた樹齢30年〜35年のサンジョヴェーゼ(最高樹齢70年)は、若い畑はhaあたり7250本の高い植樹率、古い畑はhaあたり3000本の植樹率となります(古い畑からの葡萄を中心に使用されているようです)。収穫されたサンジョヴェーゼはセメントタンクにて15〜18日間の醸しとアルコール発酵の後、ステンレスタンクやセメントタンクでマロラクティック発酵が施され、新樽比率40%の350Lの樽が70%、225Lのバリックが30%で約12ヶ月の樽熟成後瓶詰、約15ヶ月の瓶熟成期間を経てリリースされます。
2011年のアルコール度数表記は13.5度でしたが2012年は13度、実質12.8度とのことで少しアルコールが低めになっているのが特徴です。
■2012年ビンテージ情報
クラシカルな味わいの2012年。2012年の夏は非常に乾燥した猛暑となり、8月末にはそのストレスがブドウに現れるという寸前の状態に。しかし8月終わりから9月初めにかけ、恵みの降雨により状況が一転、満足できる素晴らしいブドウを収穫するに至りました。ワインを試飲すると猛暑を全く想像させることのない、どちらかと言うと涼しい夏を思わせる香り豊かで酸も乗っている上品なスタイルとなっています。これは過度の乾燥と猛暑によるストレスでブドウ生育が一時停止に近い状態となり、その後の8月終わりから9月初めの雨による気温低下と水分補給によって植物活動を活発にさせたことによるものです。平年よりアルコール度数が若干低くクラッシックな味わいとなっています。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
お馴染みのラベルデザイン。イル・カルボナイオーネは帯色が紺色です。コルクはなかなかの質の5cm。グラスはヴィノムのボルドー型一択です。表記のアルコール度数は前述の通り13度と例年よりも0.5度低めで実際のアルコール度数は12.8度と13度を下回る模様。
紫が混じるのはカベルネ系が混じってるから‥と習ったはずだが、ポッジョ・スカレッテのサンジョヴェーゼ・ディ・ラモーレは少し紫も射す濃い赤色で深い。キレイな樽香があり、少しのローストしたコーヒー豆ではなく小豆っぽい。すでに香りが開いており決してインキーでもなければ、濃さで迫る感じではない。香りからも良質な酸味の存在は確認できるし、薄いという意味でのエレガントではなくよくまとまって、飲みやすそうな香りを感じる。赤いチェリーよりも、紫や黒の濃いベリー系の果実香に、2Bの鉛筆、クリスピーで、アーモンドの赤ワイン煮込み。
口に含みますと、つぎめのない密度を感じ、フルボディではあるが軽やかさを感じる。原因は確実にアルコール度数で、果実味が軽いわけではない。一杯目の一口目から旨味を感じ、すでにバランスよくまとまっていて、こんなにすぐに美味しいイル・カルボナイオーネは初めてかもしれない。
確かに冷涼さも感じる。どこか涼し気な酸があり、暑苦しい濃縮ではなくそういう意味での熟成ポテンシャルも感じるのは、2002年と2003年を彷彿とするようだ。2011年ほどのドライフルーツのような完熟感には乏しいが、このストレスのな飲み口にどこか安堵さえ感じる。
酸が立つわではなくしなやかに果実に溶け込む。少しの鉄っぽさもあるし、アメリカンチェリーの皮っぽさもあるが、とてもピュアな果実味がほんとストレスがない。
なんだよ‥旨いじゃないか。
二杯目もゴキゲンな飲みやすさ。そう、決して未熟さや、軽さではない。バランスの良さと、いつもよりも0.5度ほどのアルコールの軽さが素晴らしく飲みやすい酒質にしている。
二日目もヴィノムのボルドー型です。少しチョーク、鉛筆の芯、とても細かいタンニンの粉に甘味。ほんの少し煮詰めたバルサミコ。香りは開放的というよりも奥深く開いていますね。香りからしてすでに重みと、密度の高さはある意味何かしらの合金のようでもあります。ああ、みたらし団子のタレっぽさがあるんだな。醤油甘いのが。
口に含みますと、まあまとまってます。ストレスがないです。こんなにも若い内から飲みやすいイル・カルボナイオーネも素晴らしい。だからって若飲み仕様で熟成ポテンシャルがない…というわけではないのですよ。
非常に質の高いタンニンがしなやかですね。うーん、これサンジョヴェーゼですよね。ただでさえスカレッテのサンジョヴェーゼ・ディ・ラモーレは個性的なんですが、こののしなやかで良質なタンニンがどこか上質なボルドーっぽささえ感じさせます。
単一品種ながら複雑さもある。でも一本気な旨味の一刀両断。ほんとにストレスなくとてもスムーズに飲めてしまうが、決して軽いワインでもない。
三日目はスルーして四日目です。グラスはサイズダウンするか迷いましたが、ヴィノムのボルドー型で。香りは二日目とあまり変わりませんね。飲み口は2012年のアルコール度数の低さ(基準にもよるが)がとても上手く表現されています。
古酒のような熟成香は皆無ですが飲み口に80年代を感じるストレスのない度数。この四日目は完全にまとまり、球体になっている。まとまりは「体」を小さく感じさせるが、密度があるので不足感やヌケなどない。
きっと明日も美味しそうだし、オヴァチュアあたりにサイズダウンも考えましたが、ヴィノムのボルドー型でも問題はないですね。
ひょっとするとオフビンテージならではの努力の結晶か?いつものパワフルなイル・カルボナイオーネとは一味違う。飲み方によっては軽さを感じるかもしれないが、それは軽さではなく、軽快さである。
飲み応えも大事だけれども、スムースな飲み口も大事。本当にこんなにもバランスよくストレスのないイル・カルボナイオーネも初めて。
今度はこういう感じで…って言ってみようかな。
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