Chianti Classico Riserva Berardenga 2019 Felsina
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※2023年6月15日更新:12本追加UPしました。
キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ・ベラルデンガ 2019 フェルシナ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ/フルボディ》
ドメニコ・ポッジャーリ氏がカステルヌォーヴォ・ベラルデンガのワイン荘園を購入したのは1966年のこと。友人であった故ルイジ・ヴェロネッリ氏の紹介で、フランコ・ベルナベイ氏をエノロゴに雇い入れ、1983年にリリースしたのがフォンタッローロと、キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ・ランチャ。このふたつのワインで一気にフェルシナの名声が高まることになります。ポッジアッリ家の所有となりますが、現当主は、娘婿であり1982年までは哲学博士として高校で教鞭をとっていたというジュゼッペ・マッツォコーリン氏。
フェルシナが位置するのはシエナの北、キャンティ・クラッシコ認定地域最南端のカステルヌォーヴォ・ベラルデンガ地区で、一部はキャンティ・コッリ・セネージ地域となり、境界を跨いで畑を所有しています。ランチャはキャンティ・クラッシコ地区内の単一畑、フォンタッローロはキャンティ・コッリ・セネージ地区のブドウも混醸されてますので、キャンティ・クラッシコを名乗ることはできないんですね。
カステルヌォーヴォ・ベラルデンガ地域は土壌は石灰を含む岩と薄板状のマール土壌が主体で、僅かに砂質とシストが混じり込みます。この複雑な土壌は感想しがちでブドウ樹は地中深くの粘土層まで根を生やさないと十分な水分を得られません。現在ではビオロジックを採用してブドウ栽培を行っていますが、ブドウのみならず様々種の植物をブドウ畑に隣接させることでミツバチや、動植物との共存を進めているそうです。
「有機的な栽培だけでは十分とは言えない。サンジョヴェーゼはマッサル
セレクションによって色々なクローンの最良の樹を増やしてきた。
更に森や動植物との共存を進め、次世代に僕達の伝統を残していきたい。」
また、同時に、
「自然な栽培環境とワインの美味しさは関係ない。」
とも言い切るところに共感を覚えます(まったくその通りだよ!)。
現在リリースしているキャンティ・クラッシコは四種類。CCベラルデンガ、CCRベラルデンガ、CCRランチャ、CCGSコローニア。サンジョヴェーゼ100%からなるIGTのフォンタッローロにカベルネソーヴニョンのマエストロ・ラロ、シャルドネのイ・シストリ、ヴィンサント。近年はスプマンテにも挑戦しています。
現在、フェルシナがリリースしている「キャンティ・クラッシコ」は4種類。スタンダードな「キャンティ・クラッシコ・ベラルデンガ」、この「キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ・ベラルデンガ」、クリュ付きのリゼルヴァとして「キャンンティ・クラッシコ・リゼルヴァ・ランチャ」最後は、「キャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネ・コローニア」となります。
実は1967年が初ビンテージというこの「キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ・ベラルデンガ」はとれも歴史のあるワインですが、あたしの印象ではこれまで、スタンダードな「キャンティ・クラッシコ・ベラルデンガ」と「キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ・ランチャ」は日本市場では見かけたものの、この白ラベルの「キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ・ベラルデンガ」はあまり見かけなかった印象です。フェルシナも輸入元が転々としてきた歴史がありますが、日本市場はフルラインではなく、この白ラベルのCCRは外されてたのかもしれませんね。
実は2016年からこれまでの白ラベルのリゼルヴァではなく、黒ラベル(カッコイイ)のリゼルヴァにリニューアルされています。
フェルシナの本拠地であるカステルヌオーヴォ・ベラルデンガは、キャンティ・クラッシコ認定エリアの南東に一します。320mから420mの丘陵地帯で、ほとんどが南西向きの畑で、キャンティ・コッリ・セネージ地区との境界に位置する畑からのブドウが主に使用されているようです。植樹は1990年と2000年台前半に再植樹されたものが使用されます。例年10月の第一週から第三週にかけて収穫され、十分な選果のあと除梗され圧搾されたサンジョヴェーゼのジュースは、28度から30度に温度管理されたステンレスタンクでの14日から16日間の醸しとアルコール発酵。毎日のパンチダウン、ポンプオーバーが施されます。発酵後はスラヴォニア産の中樽と、2年または3年落ちのフランス産のバリックの併用で最低12ヶ月から16ヶ月の樽熟成後、アッサンブラージュされ瓶詰め。最低3ヶ月から6ヶ月の瓶熟成後リリースとなります。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
初ビンテージは1967年と歴史がありながらも、スタンダードなCCのひとつ上は、CCR・ランチャだと思われていたお客様も少なくないかと思います。近年までは、スタンダードなCCと同じ白地のラベル、対してCCRランチャは、渋い鶯色だったので、どこか目立たない存在だったのかもしれません。それにしても、近年リニューアルされたこんブラックラベルは非常にカッコいい。その他のフェルシナ同様に、ラベルで一番大きな文字はベラルデンガとなりますが、黒字に、白抜きと、金文字はこれまでのCCRと比較しても格上感もあり、大成功だと思いますね。バックラベルもオリジナルのラベルが残されているのも嬉しい。ちなみに表記のアルコール度数は13,5度となります。コルクはもうひと頑張りの5cm、グラスはシュピゲラウのディフィニッション、ユニバーサル型です。色調はスタンダードなCCよりも一段深めに見えますが、そう変わらないかもしれません。フェルシナらしい、少し硬質で血の風味もあるミネラル香に、真っ当なスミレ、果実香が整い、これはまさしくフェルシナ。全体的な香りは少しやわらかさを感じ、十分開いてますね。香りからもCCよりも格上を感じます。
口に含みますと、うん、輪郭はソフト、刺さる要素はありません。口の中を満たす液体は十分に密度感がありますが、しなやか。フェルシナらしい甘味控えめのシリアスな果実味、構成感のあるタンニン、行き渡る酸‥おお、フェルシナならブラインドで当てれるような気がしてきた(当たりません)。旨いですね。端正だわ。ほんとスタイリッシュなんだよね、スリーピースのパリっとしたスーツみたいに折り目正しい感じがします。渋味はサラっとしててキメ細かい。開けたての一杯目すぐですが、まあ、バランスがよろしい。隙がなく密度もあるんだけれども、重過ぎないし、アルコールも似合ってるので、これはスイスイとフルボディをたのしめる。
含み香にスパイスがあり、豆感は希薄。ソリッドだねえ。ガリガリに外側を焼いたビステッカから滴る肉汁と、血に合うタイプですね。そのスパイス感には、曇ってはいない、樽のスモークの風味が混じる。炭火でも薪火でもいいんだけれども、火からのフレーバーを感じさせる(赤身)肉がいいよね。お家でなら、ローストビーフを塊で買ってきて、表面の焼き直すぐらいでもいいと思いますよ。牛脂で焼くなり、バーナーで炙るのもいいかもしれない。ああ、肉が欲しい。
正統派と書くと語弊がある。
武闘派と書くと語弊がある。
でも、舞踏派ではないのはわかる。なんだろうな、フェルシナのこの頑なな真っ直ぐ感。こういうのを飲むのビシっとする。
ああ、二杯目は旨味出てますね。構成感を感じさせるつ果実味にはもう一段のやわらかさがでます。甘味がないわけではないんだけれども、甘味同等に、タンニンと酸味を感じるから、甘旨いスタイルではない。旨味が増して幾分やわらぐけれども、基本はビシっと整っています。
二日目もシュピゲラウのディフィニッション、ユニバーサル型です。いやあ、このラベルは何度見てもカッコいい。いやあ、良い(語彙力‥)。タンニンがサラサラと渋い。初日よりも少し増した旨味が控えめな甘味とともに角を取ってくれてますね。終盤にプラムの初恋。グっと余韻まで力強く長い。いやあ、旨い。もちろん、もっと角が取れるし、さらにまとまると思うが、初日から絶好調で美味しい。これは、4,980円‥いや、5,980円でもええんちゃいますのんと思いますね。奇跡のサン・キュッ・パー。やっぱまだまだキャンティ・クラッシコは手が出る掘り出し物がありますね。
三日目もシュピゲラウのディフィニッション、ユニバーサル型です。酸っぱいという意味ではなくプラムの旨酸っぱい赤い果実が出てきましたね。なおさら、やっぱりこれはキャンティ・クラッシコなんだと実感させられる香りです。初日からほんのりと木質な樽香も少しあるのですが、まったく果実を邪魔しないのもステキ。まだ若い粗さもありますが、力強さの中にもまとまりがあり、旨味推しではなく、タンニンと酸味の構成感は非常に素晴らしいですよ。マストバイです!
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